どんな曲なのかな

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

タフな少年と、記録とナカタさん。
上巻と下巻の前半は、何かを期待しながら、ゆっくりと川を下っていく感じ。
この先には、どんな滝が待っているんだろう。
きっと支流はどこかで合流し、大きな滝になるのだろう。
 
ナカタ氏は、記録と合流し、現実世界とよくわからない世界の境目を行き来する。
少年は、現実の世界を生き続けているけど、よくわからない世界をなんとなく感じる。
 
そこへ、現実の塊のようなホシノ青年が加わる。
ホシノ青年が、この物語では、好きだなぁ。
どんどんと、この青年が、ナカタ氏の影響で変わっていく過程が、なんだかワクワクします。
 
この小説の最後に描かれている世界は、少年の心象風景なのでしょうか。
思春期の不安定な雰囲気が投射されている、そんな感じに受け取れるのですが、どうでしょう。
 
さまざまな映像の切れ端をちりばめながら、小説は終焉を迎えます。が、物語は終わらない。
延々と、どこかで物語は流れている。
そんな感じです。
 
ホシノ青年の、この後の物語を気にしながらも、読了しました。
どんな、「和音」なのか、聞いてみたいと思いつつ。