先週の読書メーターまとめ

2010年2月8日 - 2010年2月14日の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:1163ページ

容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)
トリックとしては、思いもよらないという点ですごいと思う。でも、私にはダメだ。これは受け入れられない。本格推理よりも。
読了日:02月13日 著者:東野 圭吾
NEXT 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)NEXT 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
遺伝子工学が「少し」進んだ、ほんのちょっと未来の話。報道されている現実と、どこかで行なわれてるけど見えない事実と、ちょっと未来にはたぶんこうなってる創造と、そんなこんながごちゃ混ぜになってる。そう、クライトンの割には、ごちゃごちゃなのだ。遺伝子工学の暴走は止めたいけど、いじられた生物たちは、守ってやりたいよね。ジェラールがデイヴに語りかけるシーンが欲しかったな、低い声で「デイヴ・・・」ってね。
読了日:02月10日 著者:マイクル・クライトン
手紙 (文春文庫)手紙 (文春文庫)
テーマは重い。でも、淡々と語るその筆致は、その重さを感じさせない。読み進んでいくうちに、湧き上がってくるもの、それは、主人公へシンクロしたものと思っていた。だが、手紙の重さを知るにつれ、自分の立脚地点が、主人公と違うことに気づく。ああ、私も「一般人」だったのか。 自分を気づかせてくれる、そんな小説。 やるなぁ、東野圭吾
読了日:02月08日 著者:東野 圭吾

読書メーター

東野圭吾を2冊、クライトン1冊
東野圭吾は、手紙がよかった。推理物ではなく、物語。
そんなに重い話とは気づかずに読み進み、あ、と思った時には主人公との気持ちの乖離が大きいことに気づく。本当に、そんな立場に立ったらどうなるのか。想像もつかないところである。その、想像もつかないという部分を垣間見られる、そんな物語。
容疑者Xの献身は、ダメだな。この解答を用意する作者に頭は下がるが、その「意味のなさ」に寒気がしてしまう。これは「献身」や「愛」ではない。そんな表現は、有りえない。なぜ、この解答で感動する人がいるのか、理解に苦しむところだ。ネタばれせずに批判しにくいのが推理物の欠点だなぁ。
 
クライトンは、現実と創作の狭間でうろうろしている感じ。遺伝子工学の未来はどうなるのか・・・クライトンは、その未来に期待しているだけに、警鐘も鳴らしたいという感じだ。アルジャーノンに花束をの現代的回答ともいえる部分もあって、楽しめる。しかし、本線に合流しないサイドプロットが多すぎ。オランウータンの話は、どういうつながりだったのか結局わからなかったりするし。知能と遺伝子との相関は、今あまりはっきりしていない。その部分が、希望的観測から書かれてい気がする。欧米人のチンプとイルカは知性のある友人という感覚を、クライトンも持っているというところかな。