光り輝く未来と、燻し銀の現実
http://d.hatena.ne.jp/takejin/20090706/1247071868
で触れた、20世紀少年&21世紀少年、読み終わりました。
- 作者: 浦沢直樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/09/28
- メディア: コミック
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テーマは万博ですね。
一大イベントだったことは、確かだし。
あそこで描かれた未来に向かって、日本のテクノロジーは
進み続けた気がしますし。
当時、祖母が老人会の団体旅行で、初めのころに行ってきたんですね。
で、お土産が沢山。(ほとんどのパビリオンには入っていないと言ってましたが)
その中に、
パビリオン立体ビュアー
というのがあって、パノラマ写真の比率のスライドが、両眼立体視できるんですわ。
数十枚のスライドに、それぞれのパビリオンが記録されていて、目の前に立体的に
見える。これにはまりました。ええ、毎日見てましたよ。
それで、いった気になったと。
特に関東圏の子供たちは、遠い大阪に思いを馳せながら、いろいろな資料を見て
いった気になっていたのでしょう。私もその一人でした。
あの、未来(=輝ける21世紀)への、
何の根拠も無い希望
と、そのテクノロジーからだけのアプローチの提示は、僕ら漫画&空想科学小説BOY
にとっては、「生きる希望」だったのかもしれない。
国民全体が、なんだか分らないけど未来に希望を託していた時代。そんな頃に、少年だった
我々男子は、人生の根幹が「万博」になってしまっているのかもしれない。
そして、この漫画にも、共感を覚えるのかもしれない。
我々の世代が、世の中の責任を背負う状況になってきて、なんだか基盤が怪しいのも、
輝く未来で活躍するはずだったのに、そうなっていないからなのかもしれない。
あの、輝く未来は、約束されたはずだったのに…
その輝く未来を築くのは、自分たちその者だって、気づかなかったけれど。
手塚先生。天馬博士が、僕らの世代だなんて、気が付かなかったんですよ。
僕らが天馬博士にならなきゃいけないなんて、思ってもみなかった。
誰かが、なってくれると思ってた。
21世紀って、それくらい 遠い未来だった。
僕らにとって。