よく言われてる、心理学的な逸話って・・・

オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険

オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険

アマラとカマラ
これでピンとこない人も
「オオカミ少女」
の話は、きっとどこかで聞いている。
中には、教科書で触れたひともいるだろう。
 
ちょっと出来すぎた感のあるこの話、かなり???な話らしい。
知ってました?
うっかり、信じ込んでいた私は、あららという感じです。
 
心理学や医学的なアプローチがなされていない、日記と手紙と写真を
もとに「想像を交えて」作られた「物語」のようですね。
実際、原著論文がないので、原典にもあたれないようです。
真偽不明というのが、もっとも当事者よりの解答で、ほとんど
捏造に近い様子。
でも、著者はこう言います。
「この話を枕に持ってくると、話の展開が楽だから、原典を調べずに
論文や著書の冒頭に持ってくる学者が多い。しかも、孫引き、曾孫引き
なので、責任はどこにあるやらわからない。
さらに、この話を抜いてしまうと、方向性を失う研究もあって、怪しい
けれど、無かったことにはできない。というのが、学会の風潮。」
という。

話の捏造よりも、なくなると困るから、怪しくても継続させちゃうというのが
ちょっと残念。

まあ、研究と捏造は非常に近いところにあって、研究者は意図の有無にかかわらず、
その危険と隣り合わせではあるのだけれど。

そんな、
「え、その話、常識になってると思ってた。」という事が、
「実は、信用ならない根拠のない話」らしい、という本。

他にも、
・サブリミナルの実験は、なかった。
イヌイットは、雪を二十個の単語で区別して表現する。
・矢印の錯視は、サバンナの住民には、起こらない。

などなど。うっかり蘊蓄を語りそうな話題ばかり。
語る前に、内容を確認しておいた方が良さそうですね。