種の起源の起源

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知っている人は知っている、ウォレス・ラインの「ウォレス」と当時時の人「ダーウィン」との確執です。種の起源の内容が二転三転していることからもダーウィンの優柔不断さはわかるのです。が、ウォレスとの論文の時期の交錯は、弁明できないと思うのです。
たぶん、似たようなことを頭の中に描いてはいたんでしょうが、「優柔不断」な故に明確に表せなかった。そこへ、短い論文で明確にウォレスがそれを表現してしまった。「そう、これが言いたかったのだ、私は!」と、まさに数年間頭の中にもやもやしていたものを「言い当てられて」しまったのでしょう。
せっかくだから、使わしてもらお。なんて、ちょっと子供じみてますが、「大金持ちのお坊ちゃま」の考えなんてそんなものなのかも。
どうも、ダーウィンは科学者向きではなかったのではないでしょうか。自宅で研究を続けるにしても、「博物学」ですからねぇ。ウォレスみたいに、対象に囲まれていないといかんのではないでしょうかね。まあ、サンプルは「送ってもらってた」みたいですが。ウォレスから言わせれば、「事象は現場で起こってる」(by踊る大走査線)んでは?種の起源も読みにくかったらしいし、論文の文体も難解で有名・・・。せっかくのガラパゴス諸島の標本もあまり整理されていないそうで。あのフィンチなんて、どの島で採ったのがこの嘴というのは解らなかったらしい。やっぱり研究者に向いて無いのでは。
なんて。
ダーウィンの印象はちょっとネガティブに、ウォレスの印象は非常にポジティブになる本です(表題からみて当たり前か)。

ウォレスの行った島々に行きたくなります。

で、