アイデアストーリー

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に二本目の挑戦。

の甲斐あって、いるかもらいました。どうもありがとうございます。

「喫茶店」  

「さて、何にする?」

私は、喫茶店に入り、向かいに座った由美に聞いた。

「私、お抹茶にするわ。この、『餅つき』ってのがいいわ。」

私は、思わずメニューをのぞき込んだ。たしかに、『餅つき』と書いてある。

安倍川餅でもついてくるのかな。ちょっと変わってるね。」と、私は少しいやな予感を感じながら、メニューを戻した。

ウェイトレスに餅付きの抹茶とコーヒーをたのみ、水を飲んでいると、奥の方からゴロゴロという大きな音が聞こえてきた。と、思うまもなく、私たちのテーブルの横には、臼と威勢のよさそうなオニイサンが数人現れ、ペッタンペッタンと餅つきを始めた。ご丁寧に「縁起の良い餅つき唄」付きである。

私は、メニューを天井に投げつけ、叫んだ。

「実験中止!システム02から11まで停止。全子プロセスはkill。一旦シャットダウンしろ。」

茶店は形を失い、白一面になった。



私はヘルメットを脱ぎながら、ブースを覗き込んでいるユミに拳を振り上げた。ユミはガラス越しにアッカンベーをしている。私は耳元のマイクに向かって、

「また、変な単語にチャレンジして。このシステムは、まだ細かい日本語対応になってないんだから、学習がすむまでは遊ぶな。」と言った。

「あら、ヴァーチャルな世界には、次々といろんな単語を覚えてもらわないとね。状況に応じて世界を正確に構築していただかないと、役に立ちませんことよ。ホホホ。」とイヤホンからユミの声が聞こえる。

ここは、小説に書かれた状況を、仮想空間で経験できるアミューズメント施設の開発部なのだ。詳細なシナリオへの対応状況を調べる実験をしているが、毎度ユミのいたずらでこうして中止になる。まあ、バグの検出にもなるから良いんだが。

と、実験ブースに警告音が響く。「実験コードエラー、システムを停止します。」見る間に、開発部の部屋の明かりが消え、天井が壁が消えていく。あたりは灰色一色になった。



私は、ヘルメットを脱ぎながら、頭を振っていた。どうも最近頭の痛いのが抜けない。それに、どこまでが仮想空間なのか、わからなくなってきている。ここは、どうなんだろう。床は固いが、仮想空間では感触も再現されてしまうし・・・・・

「原因不明のエラー。全システムを停止します。」

また、エラーだ。壁が赤くなって行く。今度は私の色も単色になっていく。

消えていく指先を見ながら、私は、ふと不安になった。

「元に戻れるんだろうか。」



そうして、世界は赤で塗りつぶされた。

とりあえず、アイデアのみ。っと言っても、あんまり目新しくないかな。