続き

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(キーワード:シャンパン・パーティー

上のジュブナイル、続きがあります。

「サンタの代理」
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「寝た?」
と、妻が私に聞く。
「ああ、上手くいったんじゃないかな。」
と、私。サンタの服を脱ぎ、ひげを外しながら、
「お隣にも、お礼を言わなくちゃな。」
と独り言をつぶやく。妻は、テーブルを片付け、サラダなどを準備しながら携帯電話を掛けている。「お礼も兼ねて、ささやかなイブのパーティーでも・・・」


「いやー面白かったですよ。どきどきしましたよ、大丈夫でした?」
と、隣に住む妻の友人夫婦はニコニコして話している。私は相槌を打ちながら、
「大成功でしたよ。ホントにありがとう。寒かったんじゃないですか?」
「カイロを1ダース貼っておいたから大丈夫ですよ。」
「すみません、わがまま言って。ありがとうございました。」と、妻もシャンパンを勧める。とんでもない、と友人夫婦は笑った。


「じゃあ、これはお返しします。うちでも必要になったら、今度はたのみますよ。」
と、紙袋に入ったサンタの服を、私は受け取った。
「ひげをはずすのと、風船の空気を抜くタイミングが少しむつかしいです。少し手間取ってしまって。こんどは、もう少し考えたほうが良いかもしれないですよ。」と隣人は言う。しかし、変身はすごくスムースで大成功だったが・・・。そういえば、サンタの服、もっとスリムだった気もするが。まあ、気のせいか。

とりあえず、1回目の危機は脱したようだ。あと、何年持つのかな。
あれ、そういえば、さっきのサンタに変身したときのセリフ、自分で考えたはずなのに、どこかで聴いたことがあるような気が・・。ふと、クリスマスツリーの下のサンタの人形がウインクしたように見えたが、気のせいだろう。
ワインはもう控えたほうがよさそうだ。

「メリークリスマス。」私は、夜空に向かって乾杯した。