先週の読書メーターから

2010年5月24日 - 2010年5月30日の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:762ページ

アホの壁 (新潮新書)アホの壁 (新潮新書)
別に、筒井が書く必要の無い本だな。本歌取りではない二番煎じなど、筒井のやることとも思えないが。
読了日:05月26日 著者:筒井 康隆
残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)
できる人は塗り絵が上手だというが、できない人でもそんなにへたくそじゃないでしょ。幼稚園児が書いたみたいに、はみ出した絵が載ってたけど、そんな奴は基本的にいないでしょ。バランスとプライオリティの話は、もう聞き飽きたんですけど。
読了日:05月26日 著者:山崎将志
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
意識の定義が斬新で、しかも最近の研究を統合した感じになっている。体内監視ナノマシンとか、全体主義とか、データ管理社会とかは見慣れた感じだ。だが、主人公とその親友の描く理想は、幸福なのか、進化の行き着く先なのか判別不能だ。これは、本当の理想郷建築なのかもしれないが、そんな未来はいやだ、と叫ぶ余地のある現在が理想郷なのかもしれない。で、この小説、誰が読む想定なのだろう。
読了日:05月25日 著者:伊藤 計劃

読書メーター

筒井と、今は亡き伊藤計劃。年齢は、筒井の方が上だな。
筒井:ううむ。「カラダ記念日」みたいなのかとおもったら、ただのエッセイ。
しかも、なんだか主張のない感じだ。なんでもかんでも「アホ」と言ってしまうのは、芸がない。もっと「異」な視点で、「奇」な表現で、「想」いも寄らない結論を描いてほしいな。筒井には、縁側で日向ぼっこは似合わない。
 
伊藤:使っているアイテムは、ある意味「使い古されている」ナノマシンも、全世界データベースも、完全なる医療システムも、全体主義も。
しかし、意識の定義や、その根拠となる事例は、最新の脳関係の研究に近い物を見る。
そして、「ハーモニー」。これは、進化なのか。理想なのか。必然なのか。
なかなか、結論は出ないが、斬新だとは思う。そして、この小説の結末も。
SFでは、書記と読者の設定が重要な場合がある。敵は海賊の様に人工知能が記述する場合とか、人類の絶えた後に異性生命体が残された文章を読むとか。この小説は誰が書き、誰が読むのか。その、想定と記述方式が面白いかもしれない。
  
残念な本:残念だこれは。ビジネス書にしては、事例が少ないし内容がブレブレで、論旨がつかめない。エッセイにしては、ビジネスに役立つと書きすぎ。残念な人の選別に、ぬり絵を使えとあるが、そんなにはみ出す奴は誰でも「ダメな奴」とわかる。(お前に言われなくてもな、的な)そんな、「幼稚園児」みたいなはみ出し方は、社会人ならしないでしょう。
 
筒井は、年なのかなぁ。さすがに。伊藤氏の夭折を惜しむ。