先週の読書メーターから

2010年5月17日 - 2010年5月23日の読書メーター
読んだ本の数:3冊
読んだページ数:720ページ

環境を知るとはどういうことか (PHPサイエンス・ワールド新書)環境を知るとはどういうことか (PHPサイエンス・ワールド新書)
網代という流域保全の話から、地球環境を見直す話まで、熱く語る岸さん。鎌倉の川遊びを未だに続けてる感じの養老先生。データの人竹村さん。小網代の景観に息を飲む。アカテガニを見に行きたくなります。我々にできることは何か、考えさせてくれる本。
読了日:05月20日 著者:養老 孟司 岸 由二
おかしな科学―みんながはまる、いい話コワい話おかしな科学―みんながはまる、いい話コワい話
疑似科学を対話形式で紹介、その後一刀両断。疑似科学支持派が即座に反論するので、わかりやすい。支持派の、勝手に理屈を付けて、納得するパターンは、脳科学で立証されているだけに、始末が悪い。現実と捏造と妄想を混同し、科学的と言われればなんでもいいのだから。
読了日:05月17日 著者:菊池 誠,渋谷研究所X
したたかな脳 (パンドラ新書)したたかな脳 (パンドラ新書)
最近TVなどで、お姿を結構拝見するようになった、澤口先生。「脳科学」という言葉がちょっと胡散臭くなってしまっている現在、がんばって欲しいところ。内容は、一般的な表面的なことが多くて、池谷氏の様な最先端の刺激的な部分は少ない。アマラ(とカマラ)の話はなかったらしいんですよ、先生。原著に当たらないと。男性脳女性脳も違うらしいですよ。とはいえ、脳の持っている「戦略」と「手抜き」と「都合のいいように解釈」については、わかりやすい。毛もじゃの人より、脳「科学」っぽいです。でも、TVの方が面白いです、澤口先生は。
読了日:05月17日 著者:澤口 俊之

読書メーター

科学的なアプローチを考える本たち
 
環境と流域:小網代という全流域が保全されつつある、三浦の小さい流域。アカテガニの住む川として、話題になった。源流から河口まで、開発を行わず、自然を保っている。でも、手入れは少しずつしている。ほおっておくより、良い環境を維持できるから。適度な手入れが、環境の持続なのである。
この小網代と、それに続く丘陵(鶴見川などを含む、神奈川の東側のエリア)の環境を見つめてきた岸氏の思いが、養老先生との対談で語られる。冒頭の小網代散策がいい感じ。景観がすばらしい。森である。ジプリのアニメそのもの。そんな、「自然」が保たれている。アカテガニの産卵を見に行きたくなります。

おかしな科学:疑似科学。科学の名を語るが、実体は科学ではないもの。マイナスイオン、血液型性格診断、ホメオパシー、終末論…。実証されないもの、実証できないもの、実証しないもの。意図的に科学的アプローチを拒み、科学の看板だけを無理やり掲げる。その結果、これは「科学的に正統」と一般人は信じ込む。そんな怪しい科学を、斬って捨てる、そんな対談集。対談の中の六さんは、疑似科学側につき、科学側の読者の疑問に答えていく。我々にとって、間違っていることが自明であっても、科学的の一言でころっとだまされてしまう人たちの、心を代弁してくれる。科学の看板の威力である。これを、訂正し、よりよい対処の仕方、対応する時の姿勢を、この本は示してくれている。疑ってかかろう、いろいろな事例を。99%は仮説。科学の存在意義は、そこにある。

脳科学:澤口先生。ほんまでっかTV面白いです。だいたい、いつも言っている内容と、重なってます。今日も「結晶化知性」の話をされてました。この本にも出てきます。
池田先生にもう一歩を要求するとは、大胆ですが。本気で池田先生が踏みだしちゃうと、ダーウィンがどっかいっちゃうから、TV的に怪しくなっちゃいますよ。でも、検証された論文を論拠にしている姿勢は、いい感じです。科学とバラエティーの垣根を低くしてくれている、澤口先生とさんまさんに拍手です。