先週の読書メーターから

2010年3月8日 - 2010年3月14日の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:810ページ

恐怖の存在 (下) (ハヤカワ・ノヴェルズ)恐怖の存在 (下) (ハヤカワ・ノヴェルズ)
クライトンは、温暖化を否定しているわけではない。でも、その命題を取り巻く環境が、最悪であると警告する。充分な検証をされていない観測、実証不十分なシミュレーション、なんだか分らないで煽るマスコミ、根拠もなく論陣を張る環境団体。反論すべき科学者は、研究費でしばられ何もいえない。一般人には、真実は知らされない。二酸化炭素は人類の共通の悪役にするには、あまりに大根役者だったのだ。
読了日:03月09日 著者:マイクル・クライトン
13日間で「名文」を書けるようになる方法13日間で「名文」を書けるようになる方法
触発される本。名文はたぶん書けない。この本を読んで、いわゆる名文は。でも、何か書きたくなる。手を動かそう。考えよう。 ここのコメントが皆長いことでもわかる。「ひだりきき」と「希望」。うん、触発された。
読了日:03月12日 著者:高橋源一郎

読書メーター

 
先週は、2冊。
クライトン:恐怖の存在
地球温暖化に対する警鐘を描く。とはいっても、地球温暖化を防止するのではなく、温暖化を人類の敵に仕立て上げて、本質を見えなくする風潮に対する警告を発している。実証されていない「温暖化」。現実の証拠は、「温暖化など、関係者が儲けるためにでっちあげられたもの。」という方向に示される。「人類共通の敵」(少なくとも自陣営に対する敵)を「創作」しないと、人民はコントロールできないらしい。そう「恐怖によって」人民を支配するのだ。
その構造と、その構造を批判できない体制に対して、クライトンは警鐘を鳴らしている。
 
高橋源一郎:名文を書けるようになる方法
高橋源一郎が、有る大学で講義をした記録。講義の日数が13日。講義と講義の間があるから、実質13日ではない。まあ、そんなことより、この講義、「名文をかけるようになる」ためのものではない。文章を書くということに対する、取り組み方、向き合いかたを示唆している。文章を書くということは、自分そして社会に対して、どういう意識をもって接しているのかを表現することであると。それを自覚し、自分を振り返り、表現しよう。
たぶん、この本を読んでも「名文」は書けない。そんなノウハウは書かれていない。でも文章を書きたくなる。自分を確認したくなる。そんな本だ。例文の質が幅広く、おもしろい。ただの学生にだって、こんな文が書けるのだ。
「希望」と「ひだりきき」を意識の隅において、日々を過ごし、文章を書こう。