ちょっと煮え切らないなぁ

英雄の書 上

英雄の書 上

英雄の書 下

英雄の書 下

上巻のスピードと下巻のスピードの差が大きいです。
まあ、指輪物語でも
新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)新版 指輪物語〈5〉/王の帰還〈上〉とじゃ、
全然スピード感も重厚感も違うけど…
 
世界構築に時間をとった分、肝心のストーリーが短い。
新聞連載だから、ロングレンジセンサとショートレンジセンサがかみ合わないと、こんな感じになるのかも。
世界構築はできたけど、魔法の定義がちょっとあいまいかも。
 
最後は、宮部っぽくなってましたが。
伏線の張り方とか、枝葉のストーリーの少なさとか、ちょっと宮部っぽくない部分が多くて。
 
物語とか、本とかに「力」を持たせたいのは、作家の性でしょうか。
川又千秋氏の「幻詩狩り」とか有りましたよね。
作家としての、気持ちはわかりますが。
紡ぐ人にも責任あり、というところでしょうか。
だったら、もう少し決着をつけてほしかったな。
 
 
 
それと、
 
 
 
殺人の必然性と、こちら側での「罪」を認めて償う、という部分が欠落しています。
殺人を安易に提出するなんて、宮部らしくないなぁ。