江戸の怪談
- 作者: 岡本綺堂,結城信孝
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/07/07
- メディア: 文庫
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の岡本綺堂の怪談集。しかも、抜粋です。
怖いもの。味わいのあるもの。後味の残るもの。え゛、これで終わりなの、というもの。
取り混ぜてます。
半七でもそうだけれど、淡々と冷静に語る。百物語の様に、誰かの語りという形式のものが多いのも、怪談語りの雰囲気を盛り上げる。
その登場人物も、あまり騒ぎ立てない。
その代わり、怪異は着実に進行する。は、と気がつくと、もう後戻りできないところに・・・・
そんな怖さ。
そして、語りは唐突に終わり、余韻も理由も置き去りになる、そんな作品が多い。
これは、杉浦日向子の「百物語」のようだ。理由もその後も語らない。
それが、一番怖い。納得して腑に落ちると、ある種の安堵がある。が、この形式では、安堵がない。
不安定なままだ。
それが、怖い。