江戸の怪談

岡本綺堂 怪談選集[文庫] (小学館文庫)

岡本綺堂 怪談選集[文庫] (小学館文庫)

半七捕物帳
半七捕物帳〈1〉 (光文社時代小説文庫)
岡本綺堂の怪談集。しかも、抜粋です。
怖いもの。味わいのあるもの。後味の残るもの。え゛、これで終わりなの、というもの。
取り混ぜてます。
 
半七でもそうだけれど、淡々と冷静に語る。百物語の様に、誰かの語りという形式のものが多いのも、怪談語りの雰囲気を盛り上げる。
 
その登場人物も、あまり騒ぎ立てない。
 
その代わり、怪異は着実に進行する。は、と気がつくと、もう後戻りできないところに・・・・
そんな怖さ。
 
そして、語りは唐突に終わり、余韻も理由も置き去りになる、そんな作品が多い。
 
これは、杉浦日向子の「百物語」のようだ。理由もその後も語らない。
それが、一番怖い。納得して腑に落ちると、ある種の安堵がある。が、この形式では、安堵がない。
不安定なままだ。
 
それが、怖い。