脳をください
- 作者: 養老孟司
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1995/06
- メディア: ペーパーバック
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20年以上前のエッセイ。でも、言っていることはあまり変わらない感じがする。
唯脳論よりも後で、一番沢山いろいろ書いていた頃かな。
このエッセイが書かれていた頃は、まだ人工知能の研究に携わっていなかった。
だからと言っては変だが、養老先生のことはあまり知らなかった。
だから、この頃の先生の本は、読んでない。
エッセイ的なものは、バカの壁以降から遡っているから、「同じこと言ってる」感じが
続く。まあ、文章が若返ってくる感じはあるかもしれない。
文学や他人の本の話の時は、(発表する雑誌にもよるのであろうが)文章が硬く、虫の
話をするときには、文章が軟らかい気がする。どうであろうか。相手に対する愛情が異
なるからだろうか。
脳をください、という項があった。有名人というか知識人の脳が欲しいという。
標本として。東大には夏目漱石とかの脳があるんだそうだ。いわゆる頭脳を使う人たち
の脳を集めて、一般人との差を調べたいという。だから、頭脳派の人たちと近づきになって
「脳をください」と頼むのだそうだ。
塩野七生さんの脳も約束済み。でも、ときどき「コロッケ」をご馳走しないと「あげない」
と言われてしまうとか。もう東大にはいないから、頼んではいないんだろうけど、どんな
人の脳が集まっているんだろう。そして、どこが違うんだろう。
(その脳を再活性化できるのなら、池田氏は活動状況を実験してみたいだろうなぁ)