物事を見る方向

本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー (PHP新書 546)

本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー (PHP新書 546)

養老先生と、データの人竹村さんの対談 & 農業の人神門さんの鼎談。
 
面白いです。
特に竹村さん。自らデータの人というだけあって、データの山。
でも、そこには、そのデータから読み取る力があってこそ。
さまざまな示唆に富んだ対談でした。

石油や水の問題に置き換えると、政治や歴史はこうなる。
人口とエネルギーの問題。
アメリカ人や中国人の問題行動。
 
原油生産のピークは2010年だそうです。来年から下り坂。
いよいよ、代替エネルギーの必要性が。

竹村さんは、エネルギーから日本の人口は6千万人くらいが適当と。少子化が必要と説く。
江戸時代は、人口が安定化したエコなリサイクル社会、と言われている。しかし、竹村さんによると、幕末には限界に達していたという。それは、エネルギー問題。
江戸時代の燃料は、薪。木であった。森林を伐採し、エネルギー源や原材料として使う。やがて山々は、裸になる。
明治のはじめには、日本の山々は、大半が禿げ山だったという。そして、エネルギー源が途切れたために、人口が頭打ちになったと。
ペリーの来航で化石燃料を知り、開国に至ったと。
わかりやすいのである。

養老先生は、禿げ山からの回復は、虫レベルではまだまだとか、虫の話に置き換えてデータを具体化する。これまた、わかりやすい。

農業の問題は、就業人口ではなかったり。宗教戦争は、実は水争いだったり。

モノから見ると、明快なことを示してくれます。

エネルギー問題。気になります。本当に。