アゲハの飛ぶ道。

チョウはなぜ飛ぶか 日高敏隆選集 I (日高敏隆選集 1)

チョウはなぜ飛ぶか 日高敏隆選集 I (日高敏隆選集 1)

日高先生の選集から。元の刊行は1975年。すでに30年以上前だ。
だが、チョウ道の研究、あまり進んでいないのか、Webではあまり見かけない。
ヨーロッパのチョウには、チョウ道がないらしい(本文)からか。
 
完結した研究についての本を書きたくなかったという。今、やっていること、失敗したこと、わからないこと、仮説を積み重ねていること、仮定した仮説が崩れてしまったこと、回り道をしたこと・・・・・
研究って、王道ないんですよね。しかも、「何の役に立つのかわからない。いや、多分何の役にも立たない」んですよ。でも、真理を探究しようとする心がある。
この心も、遺伝子に組み込まれている。果たして、何のために?
 
知りたいという気持ち、ホントによくわかるだけに、「遺伝子の欲求」に首をかしげてしまう。
 
これからも、「役に立たない」研究を続けてほしいなぁ。何のためかはわからないけれど。きっと、最後に何かを満たしてくれるのでしょう。