段々とSFから遠ざかって

ドリームバスター〈4〉

ドリームバスター〈4〉

ドリームバスターも4巻目。
前巻からの続き。段々エピソードが長くなってくる。そして、SFではなくなっていく。
設定は、SFそのものであるのだが、登場するDP(ドリーム・パーソン)の内的世界が、通常小説の投影になっている。それは、それで、宮部ワールドなのだが、テーラの設定との乖離が大きくなっているような気がする。
日常に隣接するテーラ、という設定なのだから当然なのだけれど、SFとしてかまえると、仕掛けが簡素な印象になってしまう。なぜだろう。シェンやヒロムなど、大活劇を体験しているというのに。
そうか、三人のDPの道行きが、結構あっさり終わった感じがするからなのだ。最近目にするファンタジー超大作は結末まで引っ張り続けるものばかりだから、最後にもっと何かある、と思ってしまっているのだ。よく読んでみれば、これはこれで十分な展開では無いか。

刺激に麻痺しつつあるのだろうか。歳なのかなぁ。