予測できる失敗

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いわゆる「失敗学」の本。成功例から学ぶことよりも、失敗例から学ぶことの方が多いと私も思う。いろいろな講演や、商品説明等に行ったとき、失敗事例が提示されていると信憑性が高いと思っている。向き不向きが判ったり、失敗からの克服が図られていたり。システムとしての厚みが全然違うと思う。
この本のように、失敗を分類し、体系的にまとめると、失敗からの回復が容易になるし、失敗の予測・回避につながる。
しかし、「失敗を予測でき、その失敗を回避する方策を検討できる人員は、全体の半分」という点共感できます。システムがあっても、発想が無い限り発展はないのです。既存のままでは失敗するのを回避するのであるから、新しい発想が必要ですが、その発想が生まれない限り失敗するわけですね。物事の創造と同じです。工夫・発想を楽しまないと、創造も失敗回避もできないということで。
失敗の回避は、記憶の整理と事故を想像する能力で行われるとのこと。ものの創造と同じで、過去の開発の整理と将来を考える想像力ですね。第一、想像しているときの脳の活動領域と、記憶を思い起こすときの脳の活動領域は同じだそうですから、記憶→想像の構図は正しいのではないかと。
「物事の高次化」で様々な事象を捉える能力が、今後はさらに必要になっていくようですね。