先週の読書メーターから

2010年5月31日 - 2010年6月6日の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:911ページ

夜来たる 長編版 (創元SF文庫)夜来たる 長編版 (創元SF文庫)
ただ一つのアイデアを、ここまで厚くできるアシモフと、さらに肉付けるシルヴァーバーグ。さすがです。水鏡子が解説に書いているように、「結末はわかってる」けど、読ませちゃうのはすごい。ただ、部屋にこもってればいいんじゃないの?がたびたびよぎり、没入できなかったことも事実。
読了日:06月03日 著者:アイザック アシモフ,ロバート シルヴァーバーグ
キャッチャー・イン・ザ・ライキャッチャー・イン・ザ・ライ
読後のモヤモヤ感は、読んだ年齢によって違うのだろう。この語り口で伝えたかったものは、普通と普通じゃないの境目の曖昧さだろうか。クレバーでハンサムな彼は、饒舌で下品な単語を並べる。大人になることを避けているかと思えば、ライ麦畑のキャッチャーになりたいという。グラグラし続けるのは、思春期の特権とは思う。 でもこの本、人間失格と並んで、お薦めしていいのかわからない本だ。

読了日:05月31日 著者:J.D.サリンジャー

読書メーター

アシモフ:ワンアイデアストーリーではあるが、様々な要素を創造し、名作とした。その中編をシルバーバーグが長編に。しっかり仕上がってるとは思う。飽きない感じだし。
でもね、人類にあてはめて、2千年でこんなに大災厄の記憶がなくなるものなの?しかも繰り返してる。それに、部屋にこもって「神光」でもともってればOKでしょ?という回答が用意できちゃうので、真実味がすこし薄れてしまう。
それと、3章の荒廃した都市の下り。もういろいろな作品で読んでしまっていて、飽きてるかも。キングの「ザ・スタンド」とかね。
当時はエポックメイキングだったことは確かです。必読。

ライ麦畑でつかまえて:なんで「つかまえて」になったのかよくわからないな。キャッチャーになりたいって、非常にまともだと思うよ、ね。饒舌のさなかに、表層に浮かぶ物と、根底にあってめったに浮かび上がらない物が混在する青年ってことは分かった。
そういうものにわたしはなりたい。みたいだな。
この記述方式と、独特の単語「くそったれな」「インチキな」「トンチキ」。変だけど、しゃべってる感は強い。こんなにべらべらしゃべるやつ、そばにいないでほしいけどね。
揺らがない人には薦めるが、そうじゃない奴は読まない方がいいかも。