ナショジオのウォレスの記事

ウォレスの記事が、ナショナル・ジオグラフィックに乗ってたなんて。
気がつかなかった。メールの配信も受け取ってたのに・・・
去年の12月号でした。
 
ウォーレスラインの話がほとんどでした。まあ、なんとなく、ウォレスのやったことは分かるかも。
でも、自然淘汰の話は、ちょっと・・・。ダーウィンが、あの論文を受け取った瞬間は、「適者生存」までたどり着いていたかもしれないけれど、「系統樹」と「種が分離する方向性」について、明確なヴィジョンがなかったと思う。
だから、ダーウィンは、あのテルナテ論文で、
「はっ、と気づいた」
に違いないと、私はふんでいる。
そうでなければ、発表に躊躇していないだろうと思うのだ。あの部分の明確さがあれば、もっと早くに「種の起源」の元の本を発表していたのではないだろうか。(遅筆なことを考慮しても)
 
論文を目にしてからは、ダーウィンは「かつてない速度」で仕事を進め、論文の共同発表の手順を整える。年単位で行動していた人が、時間単位である。明らかにおかしい。(この辺の様子は、ダーウィンに消された男に詳しい。恋する天才科学者にも記述がある。)おぼっちゃまの考えることは、我々にはよくわからないのでござるな。
 
まあ、ウォレスの目的は、真実の探求とそれを世に問うことであって、名声を得たい訳ではなかった。と、言われてるのだけれど。
なんとなく、「一人で発表すると、結構叩かれる」と思ってもいたのではないだろうか。異端過ぎる説でしたし。
近い研究をしていて、有名人で、業績も認められていて、お金持ち。ウォレスにとっては、うってつけの「共同発表者」だったのかも知れない。
こうして、自然選択説は、少し変形しているけれど生き残っている。それは、ダーウィンが「種の起源」を記したからに他ならない訳で。
ウォレスが単独発表をしていたら、もっと違う歩みになっていたのかもしれない。ウォレスは、意外にそんなことも考えていたのかも。
 
ともあれ、ウォレスラインは、生物学の重要な概念です。ウォレスの名前、しっかり覚えてくださいね。