先日読了

スナーク狩り (光文社文庫)

スナーク狩り (光文社文庫)

 ロードムービーっぽいです。読書時間を同期させたくて、結局夜明け近くまで読んでしまった。読み始めた時刻が22時ごろで、ちょうど小説のオープニングとほとんど同じ。時間進行が大体同期し始めたのが、真夜中。ストーリーが動き始めていたので、つい読んでしまった。時計を気にしながら結末まで。
 読了後には、設定の粗さとか、展開の強引なところとかが、ふと気になったのです。しかし、読んでいる最中は、そんなことは気にならない。とりあえず、「どうなるの」で進んでしまいました。
 火曜サスペンス劇場にするには簡単だけど、面白いドラマになるかどうかは別ですね。小説ならではの「時間経過」と「場面展開」でしょう。
 でも、なんでわざわざ「スナーク」狩りなの?

初ものがたり (新潮文庫)

初ものがたり (新潮文庫)

 おいしそうです。江戸時代の料理を描かせたら、天下一品と思う。こんな親父はいなかっただろうけど、そんな料理はあったのでしょう。世界一の大都市で、季節変化の大きな日本中で作られる作物の大半が集まるという、世界中でも稀有な環境だったはずの江戸時代の江戸。戦乱のない大都市では、料理が発展するのは常。特に天下泰平のおり、世界一平和な都市では、おいしいものがたくさんあったのでしょう。
 事件の展開は、いつもの通り。人情あり、風情あり、貧乏ありと宮部の世界です。屋台の親父の正体が気になります。続編を期待。
とり残されて (文春文庫)

とり残されて (文春文庫)

 超常現象の小品集。あいかわらず、やさしい。
 「たった一人」、「いつも二人で」、「取り残されて」、「私の死んだ後に」、と一人称的な題名と、一人語り的な展開。誰かがやさしくて、その皆を宮部がまた優しく見守っています。
 アイデアは目新しくないけど、こういう書き方もあるのか、と思ったしだい。小説の可能性って、まだまだ無限大なのかもしれない。