読了

水車館の殺人 (講談社文庫)

水車館の殺人 (講談社文庫)

いまさら綾辻?ですが、最近「綾辻以降」の言葉を耳にしたので・・
「本格」ってどういうことを言うのでしょうか?少年のころに、ドイル・クリスティと読んだけど、EQには行かずに「清張」に走ってしまった経緯があるので、「名探偵みなを集めて、さてと言い」は性に合わないようなのです。根本的にハードではないSFを読まされてるような気がして。
 セットされたシチュエーションと、使い切られる伏線、弱い動機。うーん、やっぱり根本的には賛同できない。
 しかし、描き方:現在と過去とをタイムスリップする感覚と、その視点のずれをたくみに織り込んで、しかもその中に潜むトリックを読者に悟らせないように描いている手法は見事。ストーリーとは別に、小説手法として楽しませていただきました。
 やっぱり、宮部みゆきの方がしっくりくるなぁ、さらには「まじめな」清水義範かな。スティーヴンキングと筒井の信奉者としては、小説にはめた枠がやわらかすぎなんです。枠はしっかりしていてほしい。それでいて、大きいのがいいな。
 でも、まあおもしろかったかも。もう少し他のも読んでみよう。